地域マスター工務店登録運動 『住宅「考」房』編集人 野辺 公一

住宅を対象とした泥棒犯罪の増大
 防犯住宅が、ちょっとした話題になっている。ま、それだけ泥棒が増えている、ということになる。事実、住宅を対象とした侵入盗(泥棒のこと)がこの30年で最も多かったのは昭和50年で約21万件発生している。その後、件数は減少し平成9年では約11.4万件になっている。しかし、ここが底で、以後その件数はどんどん増加し、ついに平成15年では約19万件となっている。
 しかも、ここで問題となるのは検挙率。昭和50年の検挙率は57.2%。つまり10人の内約6人は捕まるという割合であった。それが、平成15年では31.0%。10の泥棒の内3人しか捕まらない、ということになる。
 泥棒からすると、現在の方が侵入リスクは少ない、といったことになる。

窓破りと無締りのドア・窓からの侵入が殆ど
 さらに泥棒の侵入経路が面白い(って面白がってはいかんのだが)のは、警視庁データと警察庁データの違い。ご存じのように警視庁は、東京都を管轄する警察組織。警察庁は全国の警察を管轄する組織である。
 従って、警視庁データでは、泥棒の侵入経路としては、圧倒的に窓破りが多いのであるが、これが警察庁発表のデータだと、窓破りも多いが、無締りからの侵入、つまり鍵をかけていない窓やドアからの侵入が結構多いのである。
 のどかな田園地帯、まちや村の人々の顔を皆がよく知っているから、生まれてから一度も鍵など持ったこともない、という人もいるが、しかし、地方圏では、どうやらそうした生活習慣が泥棒をうれしがらせているらしい。

我が家の防犯性能はゼロだと言われ
 さて、日頃防犯意識の高い事務所のスタッフ・ネコが「N家の防犯性能はゼロだ」とセコムのカタログを前にして言うのであった。それもかなり厳しい口調で。
 愕然とした。
 まず、指摘されたのは、防犯意識。
 町中に住んでいるのに、当家の玄関は20時間ぐらいは無締り状態。防犯性能中もっとも大切なのがハードではなく、ソフト。防犯意識のかけらもないN家の場合、そのソフト上の性能はゼロなんですよ、とネコは言うのであった。
 泥棒を絶対に近づけない、という意識がない家は、どんな立派な鍵を付けても意味がない、と言う。つまり我が家のように鍵をかけないことが習慣化している家は、泥棒にいらっしゃい、と言っているようなものなのだ。

玄関ドアに鍵一つとは! と呆れられ
 「でもさ、我が家はご存知のようにお金はないし、ブランド品ないよ」というと(ああ、言うのではなかった)「泥棒はお金やプラダのバックを探すだけじゃないの。例えば、パスポートだって立派に換金できるのよ。その筋で」と言われると、例によって抗弁もできない。
 さらにネコに指摘されたのが、玄関ドア周辺。我が家の玄関ドアは鍵が一つ。しかも、鍵がかかっているのかどうかが一目でわかる。しかも、わざわざドアに穴を開け、新聞を取りやすくしている。これが、サムターン回しあるは、その郵便受けを壊して鍵が開けられる、というのである。しかもお宅はチェーンがついているのにそれさえ使っていない。
 こんな不用心な家はないですよ、と言うのであった。
 余談になるが、実は郵便ポストは外に別にある。しかし、冬や雨の日にパジャマ姿で外に出るのが嫌で、工務店に言って無理にドアに穴を開けてもらい、郵便受けを作ってもらったのだ。しかも、この郵便受けによって、断熱・気密住宅としたのにここから冬場は大量の冷気が入り込み、性能ガタ落ち。まあ、浅知恵だったわけだ。いまから思うと、いろいろと。

テレビ付きドアホンがいいらしい
 さらにドアホンの問題。
 実は我が家のドアホンは自分で取り付けた。一応電話と連動している。しかし、ピンポンと鳴ると、電話にもでずに(というか、子機を探すのが大変なので)いきなり「はーい」と玄関まで走っていって、ドアを開けてしまっている。大体開けると、新聞の勧誘や宗教のおすすめ、訪問リフォーム屋である。これが、不用心このうえない、という。
 泥棒は、下準備としてアタリ行為というのをする。留守かどうかの確認と面談できれば家族の人数等が大体推測できるのだ。
 しかも、訪問販売の営業マンを装うなど実際にするらしいのだ。
 で、「せめて、ドアホンをテレビ付きにしなさい」と指導された。テレビ付きドアホンは、顔が見えるために泥棒が極端に嫌う防犯グッズでもある。
 ちなみに泥棒は侵入の最終チェック段階でも、ドアホンで留守確認をするという。それが、テレビ付きだと、顔が写るのだからリスクは高くなる。

手近な防犯リフォームを
 ホームページのオークションでセコムのシールが結構売れたりして(セコムに訴えられたが)いるのも、意外とそれが護符になるらしい。でもね、実際に加入してないのにそれを貼るというのも意外と根性がいるのでは、と思う。
 唯一、ネコから高得点をいただいたのは、窓。一応ペアガラスにしてあるので、まあまあだというのであった。単板の場合は侵入までに1分とかからない。
 さて、以上の改善ポイントにプラスして、犬走り部分を指摘された。
つまり、この部分にきちんと小石を敷きつめ、歩くと音が出るようにしておくことも肝要というのであった。
 泥棒は、結局見通しのよさ(人に見られる)と、光と音を嫌う。つまりは気付かれるリスクを犯したくない、ということなのである。
 「わかりましたか。いまからでも遅くないから早く防犯リフォームをしなさい」とネコは言うのであった。私としては「はい、そうします」と言う以外にない。事実、ネコに指摘されてからは、何だか泥棒に狙われているような気がして。

 で、とりあえずの我が家の対策として、
  @玄関ドアに補助鍵を付ける
  Aドアにある郵便受けをふさぐ
  Bテレビ付きドアホンにする
  Cベランダにセンサーライトを付ける
  D犬走りに石を再度敷きつめる

と、まあとりあえずこんなことかな、と思う日々なのであった。