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耐力壁の配置の基礎知識
前回、解説した構造用合板に筋かいを含めた「耐力壁」を配置する際は、ただ闇雲に多く入れれば良いというものではない。耐力壁はバランス良く配置しなければならない。「そんなのあたりまえだろ!」と言う声も聞こえてきそうだが、プラン優先で設計を進めていくと耐力壁を配置するスペースが少なくなり、結果としてバランスが悪くなってしまっているケースが意外に多い。プラン決定後、配置できる所に耐力壁を入れるのではなく、あらかじめ設計段階から耐力壁を配置する位置も頭に入れておくことが大切。
告示第1352号
告示1352号(平成12年5月23日)において「木造建築物の軸組の設置の基準を定める件」が定められた。ちなみに建築基準法上、構造用合板や筋かいは「耐力壁」とは呼ばず「軸組」と記載されている。
従来は建物の階ごとに必要な耐力壁量を満たしていればどこに配置しても良かった(※)。それが、告示改正後は、建物の両端1/4部分(「側端部分」と言う)にある程度の耐力壁を配置しなければならないと決まったわけである。
(※)元々、建築基準法施工令46条には「軸組を釣合い良く配置しなければならない」とは記載されていたが、「釣合いが良い」配置に具体的な基準がなく、耐力壁量が足りていれば確認申請は認可されていた。結果として狭小間口にもかかわらず、1階に車庫や店舗を配置した住宅が建てられ、大地震によって甚大な被害を受けた。
ねじれを防ぐ
なぜ、バランス良く配置しなければならないのか? 耐力壁はご存知の通り、地震や風による水平力に対抗するために設置される。耐力壁が偏って配置されると耐力壁の有る部分では水平力に対して抵抗できるが、無い部分では抵抗できず、建物に対して水平力が偏って掛かり、建物がねじれるのである。
ねじれを防ぐための耐力壁の理想的な配置は以下のとおり。
(1) 平面的にバランス良く配置させる(梁間方向および桁行方向に分けて考える)。
(2) 上階と下階の耐力壁位置は、一致させる。
(3) 建物の外周、特に隅角部には、耐力壁を配置する。
(4) 耐力壁は、高い倍率を使って最少枚数にするのではなく、できるだけ小さい倍率の壁を多く配置する。
(5) 耐力壁の量は、最小限の必要量よりもできるだけ多くする。
上記にしたがって耐力壁を配置するとねじれは少なくなるが、(2)(3)(5)を実行すると耐力壁端部の柱に取り付ける接合金物は多くなる可能性がある。しかし、これは仕方のないことだ。接合金物を少なくするために耐力壁量を減らすことはまさに本末転倒なことである。 金物を減らすためには(4)やN値計算を実行しよう!
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