工務店のための「考」房コラム


これでいいのかパワービルダー 日刊木材新聞社 橋本 崇央


倍増ゲームのパワービルダーを支えるシステム
 16年3月期の住宅会社の決算が出揃ったが、これの集計をしていて改めて感じるのは業績を大幅に伸ばしているのが、パワービルダーといわれる大手戸建て分譲住宅会社と賃貸専業大手だ。
 ハウスメーカーの業績も構造改善などが進み、新たなニーズに対応した新商品の市場投入などにより、一部を除いては業績を回復しているが、やはりこのパワービルダーの成長性は目を見張るものがある。
 年間で1,000棟づつ供給規模を拡大したり、年々倍増するという成長はこれまでの住宅産業では考えられなかった。受注は取れても今までの住宅会社のやり方では営業、設計、現場監理、施工、材料調達、資金調達などあらゆる面で倍々には伸ばせないのが住宅産業だったと思う。
 これを可能にしたのが、プレカット工場という在来工法のオープンな生産システムが確立されてきたことで、生産設備を持たなくても大量供給が可能になった。
 プレカット工場の競争が激しくなる中で生産性は著しく向上し、施工部隊の調達などサブコン的な機能も持っており、注文さえあればいくらでも供給は可能な基盤が出来上がってきた。

本当にこれでよいのかと思いつつ
 販売は不動産仲介にアウトソーシングを行うことで大量の営業はいらない。
 土地仕入れと分譲の企画を自社で行い後はコストダウンして相場で売り切る。プレカットの大量生産でコストを落とし、構造材は全て集成材で均質な仕上がりが期待できるなど、一昔前の「安かろう悪かろう」のイメージの建売住宅は殆ど駆逐されてしまったともいえる。
 一方で、狭い宅地を切り刻みミニ分譲を行い東京周辺に同じような町並みがあっという間に出来ていく現実を見ると本当にこれでよいのかと思いながら、アパートの家賃並みの支払いで、戸建て持ち家に住める住宅を提供するビジネスが成立してもおかしくはない、とも思う。
 ローコスト住宅のFCが頭打ちで有力店が脱会していくような中で何故戸建て分譲だけこんなに売れて儲かるのか?
 答えは土地を押さえているところにあるのかもしれない。


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